管理人が分解、清掃してメンテナンスしたレンズです。
当方のメインの出品物となります。
レンズのメンテナンスは時間とお金をかければキリがありませんし、出来る限り最高の整備をしたいのは当然です。
しかし当方のテーマは「一万円から始められるオールドレンズ」であることから、これからオールドレンズを楽しもうとする皆様になるべくお手頃な価格で購入できて、安心して使えるように実用性と価格のバランスを考慮して整備しています。
コストを抑えながら実用性を確保する為に「整備済みレンズ」は以下の三点の部分に重点を置いて行っています。
オールドレンズのトラブルの殆どは以下の三点に起因します。
■ピントリング・ヘリコイドの清掃、専用グリスでの再グリスアップ

数十年前の古いグリスでコテコテになって操作が非常に重くなっています。

最新のヘリコイド専用グリスを必要最小限で塗布します。
現状品として売られているオールドレンズの多くは30年前、40年前の製造時のグリスがそのまま残り硬化しています。
運がよければ未使用品で保管状態がとても良く、グリスの性能が保持されている場合や前オーナーの手により適切なメンテナンスが成されいる場合もありますが、現状品で「ピントリングが少し重いです」等と説明されているレンズの多くは古いグリスがそのままの確立が高いです。
こういったレンズはオークション出品時の作動チェックの時や、実際に使い始めはまだ良いのですが、何度か使っている内に硬化した古いグリスがレンズの細部に入り込み、使えば使うほど重さが増していく事が多いです。
一枚撮影するごとに絞りリングやピントリングを操作するマニュアルフォーカスのレンズではこれがかなりのストレスとなってきます。
女性の方に多いのですが、使っている内に操作が重すぎて指が疲れる、手振れが酷くなると訴える方も時々います。
又、極寒地で使用されるロシアレンズに多いのですが過度に塗られたグリスが絞り羽やレンズに付着して作動不良やレンズの曇りの原因になる事もあります。
旧東ドイツのレンズの多いのは絞り羽への油分の付着による自動絞りの作動不良、粘りによる開閉の遅延です。
現状品として古いグリスのまま使い続けるのは上記のようなリスクが伴います。
当方の整備済みレンズは古いグリスを除去して最新の専用グリスを必要最低限で再塗布することにより操作性の向上と将来的なリスクを取り除きます。
■絞り羽根の清掃

一見、綺麗に見える右の絞り羽も分解してみると油分が付着しています。
左の羽のように一枚一枚、丁寧に油分を取り除いていきます。

複雑な構造ですが慎重に組み上げていきます。
オークションに出品されているオールドレンズを見ていればすぐにお気付になるでしょうが、古いレンズというのは絞り関連のトラブルが非常に多いです。
特に自動絞りを持つ現状品のレンズはトラブルが多く羽が動かない、動いても中途半端な位置で止まる、一見、ちゃんと動くように見えても実は動いたり動かなかったり、急にパシャッと数秒してから動いたり(いわゆる粘り)とその症状は様々です。
当たり前の事なのですが露出やボケの表現をマニュアルでコントロールしなくてはならないオールドレンズでは絞りは非常に重要です。
旅先や撮影場所で良い被写体に出会い、ここぞという時に思った絞りで撮れない、撮れたと思ったのに絞りがちゃんと動いていなかった!絞りを変えて何枚か撮ったのに羽がちゃんと動いてなくて全部、同じボケ味・・・なんていう経験は私にもあります。
こういったリスクを最小限に抑える為に絞り羽根はしっかりと清掃します。
■レンズの洗浄・清掃

レンズは専用のレンズクリーニング液を使用して洗浄・清掃しています。

分解することによって光軸が変化する恐れがある構造のレンズは無理に分解せず組みつけられたままの状態で清掃しています。

洗浄・清掃により油膜による曇り、チリや小ゴミは取り除くことができます。
微細な拭きキズ、レンズ製造時の気泡、コーティングのムラなどは除去できません。
撮影テストして大きな影響の無いものを出品しています。
中古レンズ、特に年代物のオールドレンズを購入する場合に最も気になるのがレンズの状態ですよね。
30年~50年以上前のレンズ達ですから、その状態は様々です。
当方ではレンズを取り外して専用のレンズクリーニング液で洗浄し、鏡胴内をブロアーして清掃しています。
これによってレンズに付着した油膜による曇り、チリやゴミ、極初期の小さなカビ等は除去できます。
しかし長年の使用による微細な拭きキズや点キズ、レンズ製造時からある気泡、コーティングのムラや点剥がれ等はそのまま残ります。
当方はこういったレンズのコンディションをなるべく詳細に記載しますが、基本的に撮影テストで順光での開放・F5.6・F8出の撮影、逆光での開放・F5.6・F8での撮影で大きな問題が確認されない場合は「実際の撮影では問題ありません」として出品しています。
又、構造上、無造作に取り外してしまうと光軸の再調整が必要になるレンズがあります。
複数のネジの締める量によってレンズの固定位置を決めるような構造になっている物などですね。
こういったレンズは厳密に言うと専用の機器がないと正確な光軸の調整が難しいです。
このような構造のレンズは無理に取り外さずに鏡胴に取り付けたままの状態での清掃を行っています。
大きなキズ、バルサム切れ、明らかな曇りがあるレンズは通常の出品はせずに説明の上で「訳アリ特価品」として出品しています。
レンズの状態に関しては個人個人でも主観が違い、最も認識に差が出やすい部分でもあります。
当方からレンズを落札して頂き、どう考えても状態が気に入らない、思っていたより状態が悪い!と思われる場合はご遠慮なくお伝えください。
「訳アリ特価品」以外の出品には全てお受取後10日間の返品保証をお付けしています。
無限遠について
無限遠については当方の所持するマウントアダプターにて確認を行っています。
無限遠の調整機能を持つレンズについては整備時に調整いたします。
調整はカメラ・マウントアダプターの仕様や精度の誤差を考慮してオーバーインフで調整いたします。
調整機能の無いレンズ、調整がシム式のレンズの場合はそのまま、現状でのお渡しとなります。
以上が当方の「整備済みレンズ」の詳細となります。 |