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レビュー CARL ZEISS JENA FLEKTOGON 2.4/35mm 2.8/35mm

左からF2.8/35Exaktaマウント 中、MC F2.4/35 右、electric MC F2.4/35

風景からマクロまで美しく描写するカールツァイスイエナを代表する大人気レンズ

世界的に有名なドイツの工学メーカーであるカールツァイス社(Carl Zeiss)は第2次大戦終了後、ドイツの国家分断によって西ドイツのZeiss Opton(ツァイスオプトン)と東ドイツのCarl Zeiss jena(カールツァイスイエナ)に分かれてしまいます。
当時、世界最高の技術を有すると言われた東ドイツ側のツァイスイエナが1952年に開発したのがレトロフォーカス型5群6枚レンズ構成の広角レンズ、フレクトゴン(Flektogon)2.8/35です。

当時の一眼レフ用の広角レンズはまだ開発の途上にありフレアの発生や収差の補正などに問題を抱えており、ボンヤリとした描写の物が少なくありませんでした。
そんな中で登場したフレクトゴンはフレアを押さえ広角レンズとしてはシャープな描写を実現しており、他メーカーの追従を許さない高性能ぶりを発揮しました。
更に2型、3型では18cmまで寄れるマクロレンズ並みの接写まで可能となり風景からポートレイト、接写まで何でも綺麗に写せる万能レンズとして大人気となりました。
ソ連崩壊と共に消滅してしまった東ドイツのカールツァイスイエナですが、その後もフレクトゴンの人気は続き、現在でも同社を代表する銘玉レンズとして高い人気を誇っています。

中~近距離が得意

準広角レンズとしてオールマイティに使えるフレクトゴンですが遠距離での解像度では流石に現代のレンズには及びません。
しかし現在でも愛用者の多いフレクトゴンの人気の理由は中~近距離、接写での写りの良さにあります。
ピントは広角レンズとしては開放からシャープですがボケは柔らかくF値にかかわらず周辺の流れも少なく安定しています。
コントラストも高く発色も良いですが上品な写りで派手でギラギラした感じにはなりません。
そしてマクロレンズ並みの接写が可能なことから物撮りや食べ物を撮るテーブルフォトに最適です。
いざとなれば建物や風景も撮影できる常用レンズとして永く愛用者が多いのです。

年代によって異なる仕様

フレクトゴは年代により大きく分けて以下の3つのタイプに分かれ、それぞれ仕様に違いがあります。
1型は最短撮影距離が36cmとなり接写が効きませんのでご注意ください。
2型は18cmまで寄れますが接写の領域になると自動的に絞りがF4に固定されてしまいます。
この状態で無理に絞りを回すと破損の原因となりますので注意が必要です。
3型は18cmまで寄ってもF2.4開放のまま問題なく使用できます。

1型 シルバー鏡胴の初期モデル

1952年に発売されたアルミ鏡胴の初期モデルです。
絞りはF2.8~F16で羽根は9枚。
最短撮影距離は36cmと特に寄れる訳ではありません。
又、2型以降のモデルに比べて逆光に弱くフレアが出やすくなります。
発売から50年以上が経過しており程度の良い物は見つけ難くなっています。

2型 ゼブラ柄の中期モデル

1950年代後半から登場したゼブラ柄のモデル。
絞りはF2.8~F22となり羽根は5枚となります。
最短撮影距離は18cmまで短縮されています。
接写時にはピントリングに連動して絞りが自動的にF4にゆっくり
と移動する構造になっています。
つまり最大接写時には絞りは自動的にF4固定となります。
これを知らずに無理に動かすと内部が破損しますので注意が必要です。
クラシカルなゼブラカラーは今でも人気があります。

3型 黒鏡胴の最終モデル

 

1972年から89年まで発売された黒鏡胴の最終モデル。
レンズがマルチコート化されて逆光に強くなっています。
絞りは開放F2.4~F22となり、18cmの最大接写時でもF2.4での撮影が可能となっています。
フレクトゴンのバリエーションの中では現在、一番人気のあるタイプです。

その他のバリエーション

electric MC FLEKTOGON

マウント部にカメラボディに絞り値を伝達する為の電気接点が有るタイプです。
レンズそのものの仕様は通常の3型と変わらずマウントアダプターを介して
ミラーレスカメラ等での使用が可能です。

FLEKTOGON 2.8/35 Exaktaマウント

シルバー鏡胴、ゼブラ鏡胴、黒鏡胴それぞれにExaktaマウント用があります。
絞りはF2.8~F22でM42マウント用の2型と同様に最大接写時にはF4に固定となります。
マウントアダプターを介して各種ミラーレスカメラで使用可能です。
M42マウント用に比べて安価に流通していますからM42に拘らなければお値打ちです。

※このExaktaマウント用はEOS等の一眼レフには絞り開閉ボタンの突起がカメラボディに接触して装着できませんので要注意。

 

購入時の注意

とても人気があり流通量も多いフレクトゴンですが購入時には注意が必要です。
2型については上記でも触れたように最短撮影距離に近づくにつれて絞りが自動的にF4の位置に
移動していく構造となっており、これを知らずに無理やり絞りを操作して内部の部品が変形や
破損している物があります。
3型についてはそのような構造にはなっておりませんが、絞りに関連する部品の多くがプラスチック製となっており、経年により絞り羽根の固着した状態で無理に動かすとこれらの部品が簡単に破損してしまいます。
又、初期の広角レンズとしては優秀な補正がされているフレクトゴンはレンズの組み付けがとてもシビアで
不用意な方法で適当に分解してしまうとピントが大きく狂ってしまいます。
一度ピントが狂ってしまうと専用の計測機器を使った本格的な修理が必要となり高額な修理代がかかります。
このようにデリケートな部分が多いフレクトゴンですが人気があるが故に絞りに問題の有る物やピントの甘くなった物も「現状品」として中古市場に流通しています。
こういった状態の物は高額な修理費をかけて限られた専門店で専用機器による調整をしたり部品を交換するしかありません。

上記のような理由からフレクトゴンについてはジャンク品や現状品に手を出すのは非常にリスクが高いと思います。
オークション等でご購入の際には上記のような事情を把握していて鏡胴内部の点検、実写による確認を行っている、返品保証がある出品者からの購入をお勧めします。

実写テスト

以下にFLEKTOGON 2.4/35mm による撮影サンプルを掲載します。
使用機材はSONY α7 無印 フルサイズで行っています。
基本的にホワイトバランスはオート、又は晴天。
若干の露出補正は行っていますが、ほぼJPEG撮って出しの状態です。
比較の為にAPS-CとM4/3による試写も掲載しています。

★画像をクリックすると別タブで大きな画像が開きます。

フルサイズ F2.4
広角レンズということで周辺減光が目立ちますね。
流石に開放での解像度は現代の広角レンズには及びません。

 

フルサイズ F4
周辺減光が抑えられコントラストが上がっています。

 

フルサイズ F8
ここまで絞れば周辺減光は殆ど目立たなくなり十分な解像度です。

 

APS-C F4
別の日に同じ場所、同じ位置で撮影した画像です。
この日は薄曇りでした。
APS-Cならレンズ中心部のみを使うので周辺減光は気にならない程度です。

 

M4/3 F8
同じ位置からマイクロフォーサーズで撮影。
開放から周辺減光はまったく影響しません。

 

M4/3 Tessar 2.8/50mm
こちらは同じ場所、同じ位置からM4/3で50mm標準レンズを使って撮影した例です。
一つ上のフレクトゴン35mmとの画角の違いが分ります。
M4/3の場合、準広角のフレクトゴンなら35mm換算で70mm相当となり50mm標準レンズよりも風景の撮影がやり易くなります。

 

 

フルサイズ F2.4
ピントは手前右の木に合わせています。

 

フルサイズ F4
開放からF4にかけての立体感は面白いと思います。

フルサイズ F8
絞ってもカリカリになり過ぎる事はなく柔らかい描写です。

 

フルサイズ F2.4

フルサイズ F4

フルサイズ F5.6

 

F2.4とF2.8の比較

1型、2型のF2.8と3型のF2.4では写りに大きな差があるでしょうか?
以下に撮り比べた画像を掲載します。
通常の撮影では、そこまで大きな差は出ないと思うのですが、1型、2型は最大接写時にはF4まで自動的に絞られてしまいますのでテーブルフォトでは差が出るかもしれません。

F2.4

 

F2.8

 

F2.4

 

F2.8

 

得意のテーブルフォト

フルサイズ F2.4
フレクトゴンはテーブルフォトが得意なレンズとして知られています。
食べ物がとても美味しそうに写るレンズという評価もあるレンズです。

フルサイズ F8
絞って料理全体を写すのも良いです。

フルサイズ F2.4 接写
最短18cmまで寄って料理の一部を強調するのもお手の物です。

フルサイズ F4

フルサイズ F4

皆様のご参考になれば幸いです。

 

 FLEKTOGON 2.4/35mm 撮影サンプル 【フルサイズ】

 

3型 F2.4/2型 F2.8 開放での比較撮影サンプル 【フルサイズ】

 

 FLEKTOGON 2.4/35mm 撮影サンプル 【APS-C】

 

 FLEKTOGON 2.4/35mm 撮影サンプル 【マイクロフォーサーズ】

 

 

 

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